昭和乙女の思い出日記

昭和時代に乙女だった管理人のお気楽初めてブログです









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タグ:星新一

桜坂やっくんが5日、高速道路で事故死したニュースはみなさん、ご存じですね。


突然の訃報に、驚くばかりです。


自分は特別ファンっていうわけではありませんが、彼の恐子さんは女性から
みてもお肌に透明感があって、美人でしたから、見るのが楽しみでした。


まだこれからというときに、本当に残念です。

彼のご冥福を深くお祈りいたします。


こういう話題にふれると、人の寿命って、ホントにわからないものだなぁ・・・という念にかられます。


中国の四柱推命的には、人は自分の天命があって、その寿命が来るまでは
死ねない
という考えかたをします。


たとえば、アメリカの911テロの時でも、あのニューヨークの現場をわずかの
時間差でテロに巻き込まれないで済んだ人もいるわけで、その人は911に
亡くなるという寿命ではなかったということなのです。


自分の天から定められた寿命が来るまでは、どんなに危険な場面に遭遇しても・・最悪、自殺しようとしても死ねないってことですね。


逆にその天命が来てしまったら、人はどんなにありえない状況でも亡くなるという考えも成り立ちます。


そこで、星新一のショートショートを思い出してしまいました。

「ようこそ地球さん」に収められた「処刑」です


この話は、未来の地球で、犯罪を犯した者への処刑を題材にしています。


地上で犯罪を犯した主人公は、流刑地の赤い星(火星?)に送られます。


渡されたのは銀の玉1つ。


この玉には押しボタンがあって、押すと空気中の水蒸気を凝縮してコップに水がたまるようになっています。


このボタンをある回数押すと内部の超小型原爆が爆発し、罪人を処刑するというわけです。


爆発までの回数は誰にもわかりません。


水を得る方法は銀の玉のボタンを押すしかない。


結局、水を飲まないで餓死するか、爆死するかなのですが、これがいつ来るか?わからないのが恐怖感を煽ります。


最初の1回で爆発したこともある・・・などという噂もあって、主人公はこわごわ
ボタンを押して水を飲んでいます。


いや~、こんな処刑だけはイヤですね。


日々、1秒1秒が恐怖の連続!私なら1日で降参フラグ立ちですねん(涙)。


でも、よく考えると、これって今の自分でも変わらないんじゃないか?っていうことに気づきませんか?


毎日、いつどんなことで寿命が尽きるかは誰にもわからない・・・


銀の玉のボタンを押すことはしないけど、過ぎゆく日々のいつか、最後に死のボタンは押されてしまうのです、天命によって。


いうなれば、私達自身が、地球という流刑地に送られた罪人であって、
処刑のボタンが押されるまで、生きて生活するわけです


そう考えると、寿命が尽きる恐怖に1秒1秒、とらわれて生きることはそのまま
処刑の人生となってしまいます。


そうならないように生きるには、寿命の尽きることへの恐怖にとらわれることなく、その問題は神のみぞ知る、時期が来なければ死ねないのだと割り切って
楽しく生きること・・・ですよね。


この主人公も、ビクビクの日々を過ごしたあと、

「地上で生きることと変わらないじゃないか」

と気づき、銀の玉を持って空の風呂に入り、ボタンを何回も押し始めます。

「やっと気づいたのね」と玉が優しく笑う・・・

というお話です。

星新一のショートショートはとても的確に人生の何かを教えてくれる気がします。


もしかすると、彼の思想に中国の四柱推命や老子思想など含まれているのかもしれませんが、歳をとるほどに、この作品の味がわかってくる、そんな気がする
夜でした。

 

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