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先日、見るものが無くてなにげなくつけていたテレビ画面に不思議な番組が・・・


それが今日のタイトル「生きるためのテレビ」です。





NHKの番組で、その日は「明日、会社行きたくない」というテーマでした。

なにが不思議かっていうと、画面にナレーションと共に一人の女性の妙なパントマイムがいちいち写るから。


彼女は白いシャツにパンツ、短めのボブで顔はあまりよく見えません。



まるで操り人形か、ピエロみたいなその動作は悲しんでいるような、苦しんでいるような・・・



おかげで、どんな話なのか、最初は気が散ってよくわからないじゃないか!って思わずつっこんでおりました。



ナレーションを聞いていると、明日、会社に行きたくないという25歳くらいの若者へのインタビューとともに、彼らの言葉が文字で画面に出てきます。



会社辞める<死んでしまったほうがいい・・・とか



文字にすると、「えっ・・・」と思えることがごく普通のことみたいに話されているのはやはり、ちょっと普通じゃない感がしますよね?



ここらへんで、やっと、



「この番組って自殺をしようとする若者の心情を傾聴する番組なんだ」って気が付くのです。



最初の若者は学校の教員の男子。



自分が思うように子供達に教えてやれないことに苦悩しています。



話を聞いてると


「君、すぐ心療内科か精神科に行って鬱の治療したほうがいいよ・・・」と言いたくなりますが


彼は「休むと周りに迷惑がかかるから、できればすっと消えて無くなってしまったほうがいい」などと話しています。



次の例は女性で、希望の進学ができず就職したけど、プチブラックな飲食業で、ある日、起きることができなくなり、退職して家に帰ると母親から「帰ってくるな」と言われたと悩みます。



起きれなくなったところで、これまた


「君、心療内科へ行けよ」ですが


一方で親の立場だったら・・・?



ふと考え込んでしまいました。



子供が定職に就かないで戻ってきたら、つい、言ってしまいそうですよね。「もっとガマンしろ」って。


彼女はやがて、「仕事を辞めてはいけない」というのはある種の洗脳であると気が付きはじめ、少しずつ、自分の好きなように生きる道を模索していくのでした。



結論はこの番組では出ていませんが、番組を見て



「若者も今は苦しい時代なんだなぁ・・」としみじみ思いました。



人生下り坂の昭和乙女世代は苦しいことばかり、老年期はさらにつまらないことばかり・・・と思っていたけど、



今の日本って、結局、若者から老人まで、生きることが辛い国なのかもしれません。


かといって、その処方箋があるわけでも無いんですけどね。



ということで、


「生きるためのテレビ」を見ながら「生きるのって辛いよね」と思ってしまった本末転倒な管理人でした。