昔、たまたまつけていたNHKの番組で、深夜営業の美容室をやっていました。
所さんの番組なのですが、日本のちょっと面白い場所とかイベントを取り上げてまして、深夜のイベントについてだったのです。
前半は、深夜の街中ツアー。
深夜の街をコンダクターについてひたすら歩き回ります。
参加者は若者が多く、仕事に疲れ切って自分の居場所を見つけたい人とか、周りの人が怖いけど一歩踏み出したい女性とか。
夜の街は昼間と違って、全く別のようでもあり、どこか優しく皆を包んでくれるようでもあり。
いろんなツアーがあるんですね。
さて、その次にやってのが今日のタイトルの真夜中の美容室。
茨城県のつくば市の深夜営業の美容室です。
東京なら、深夜営業の美容室もありそうですが、つくばの美容室はあたりの街灯もあまり無い暗闇の中。
訪ねると、中年のちょっと疲れた感じの女性美容師さんが一人でやっています。
髪の長い女性ですが、あまりおしゃれという感じではなく、意外です。
だって、美容師さんって自分の髪で試しますし、あまり長い髪の人って少ないんですよね。
さて、この美容室、実は子育てに忙しい女性向けに深夜営業を始めたとか。
ところが、ふたをあけると、中年の男性が押し掛けるようになったというのです。
テレビが映し出したのは、39歳の筑波大学の研究者の男性。
夜中の1時頃、現れて髪をカットしてもらい、また研究室に戻っていきます。
なんでも、睡眠の研究をしているとかで、深夜まで研究、ご苦労様です!
でも、彼は正職員ではなく、5年の期限付きの採用だとか。
この5年で結果が出ないと無職です、って言っていました。
ううむ、これって厳しい・・・
つまり、45近くなって契約が切れて無職、次の研究の場を探すってことになるかもしれないってことですよね?
研究っていうものは、やれば結果がついてくる、っていうものではありません。
結果が出て、ノーベル賞に輝くなんていうのは、本人の努力はもちろんですが、ある意味運が左右するところも大きいのです。
顔色の良くない彼が戻った研究室では、マウスを使ったりの研究が深夜も進んでいましたが、
これっていわゆる「好きの搾取」と違う?
「好きの搾取」とは、以前人気のドラマ逃げ恥で、主人公のみくりが口にした言葉です。
「好きだから無償で○○して当然・・・」そんな前提での仕事とか、生き方に問題提起していたアレです。
研究が好きだから、待遇ぐらいは我慢しろよ、とか
生活の安定を考えていたら、研究なんかできないよ、とか
研究者を取り巻く環境は想像以上に厳しいもの。
でも、現実として45で無職、家族無し・・・みたいな若者をたくさん作りだしてはマズイと思いませんか?
いや、むしろ遺伝学的にはそういった優秀な遺伝子ほど、結婚して子供を持って後世に引き継いでいくべきではないでしょうか?
もちろん、世にある研究者すべてに生活の安定を提供できるほど、日本も財政が良くありませんから理想論っていえば理想論なんですけどね。
こうなったら、発想を転換して、定年後に研究者っていう道を作ったらどうでしょう?
定年後あるいは早期リタイヤで年金確定後なら、アルバイト程度の収入でも研究活動できますし、それまでの社会人生活で子供として遺伝子を残すこともできます。
高齢者の定義が75歳以上になったのもつい最近のこと。
60から15年、研究者人生♪
75になったら年金で人生を楽しむなんていう高齢者ライフはとても夢があります。
高齢者活用っていうなら、これぐらい前向きじゃなきゃね(笑)。
深夜営業の店で思い切り妄想を膨らませてみた、勝手な管理人でした。