a9589b3c.jpg

今は7月。

そういえば7月4日はアメリカの独立記念日でした。

7月4日といえば、トム・クルーズ主演の「7月4日に生まれて」という映画が思い浮かびます。

1989年政制作のこの映画、かなり古いですけど当時、私は映画を月1本は見る!ってことでいろんな映画をレディースディに見まくっていた時代なのです。

ちょっと思い出を検索してみましょう。

7月4日に生まれたコービック(トムクルーズ)は独立記念日に生まれた男子ということで、アメリカ国家のために生きる子だね・・・みたいな褒められ方をしていました。

これって、日本でも「子供の日生まれだから元気な子に」とか、勤労感謝の日生まれだから働き者になるよね」程度の縁起担ぎですからよくあることですよね。

彼はスポーツもできて、ルックスも良く、ガールフレンドと恋を楽しむ年頃の青年です。

そしてベトナム戦争が勃発。

彼は若者らしい正義感で軍に志願し、パリッとした軍服で出征します。

なんていっても、7月4日に生まれたのですから、アメリカ国家のために生まれてきた・・・

みたいな自負だってあります。

ここからがすごいリアルなのですが・・・

現実の戦場はすさまじいものでした。


彼は部下を誤射し、死なせてしまったあげく、自分も銃弾に倒れ、脊椎損傷で半身不随になって帰国しました。


どんなに「国のために」とか「正義のために」と言ってみても、

戦場はただ殺伐した殺戮と恐怖の場所でしかありません。

また、仲間を誤射するとか、原住民を死なせるなどの記憶はトラウマとなって心身をむしばんでいきます。

帰国後の彼は半身不随の障害者であり、部下を死なせた男として周囲から冷たい目で見られます。

このときの彼の視線で周りを見回すシーンがあるのですが、

出征前はあんなにまつわりついていたガールフレンド達が憐れんだような目でさっと引いていく様子が印象に残るのですよね。


そして、出征前は彼がバカにしていたスポーツができるでもない、普通の男たちが彼女らに囲まれて楽しそうに談笑しているのです。

障害者という視線に耐えられない彼は必死の形相でリハビリに励み、松葉づえで歩けるくらいに回復するのですが・・・

まわりにアピールしたくて、すごい速さで歩き回っていて、転倒し今度こそ、車いすを余儀なくされてしまうのです。

ここのところの心情が、すごいリアルです。

誰でも、健常者で人並み以上に運動能力があったら、自分が歩けないという現実を直視できないに違いありません。


絶望した彼は自堕落な生活を過ごした後、死なせた部下の家族にすべてを話にいきます。

そして、ついに彼は仲間と共に車いすで反戦運動に立ち上がるのです。

自分のすべきこと

「反戦とベトナムから軍を引き上げること」のために行動する彼は信念に溢れ、自分の障害を恥じたりするようなことはもうありませんでした。


この映画の監督はオリバー・ストーン、アカデミー賞上昇の非常に濃い内容の映画です。

反戦だとか、いやでも舐められないために立ち上がれとか、人はいろいろな意見があって当然です。

ただ、戦争の実態は一つでしかない。

暗くて厳しい内容の映画ですが、ぜひ見て現実を知ってほしいと思う、おすすめの映画です。

よければぜひ、ご覧下さい。