先週、テレビでわさおの最期のレポートが放映されていました。
わさおといえば、ほとんどの人がご存じでしょう、イカ焼き店の長毛秋田犬。
わさおは有名なブサカワ秋田犬
ぶさかわいいと人気で、地域の経済にも効果をもたらした幸運を運ぶ犬です。
私もある程度は知ってましたし、飼い主の「おかあちゃん」が何年か前に亡くなり、わさおが気落ちして死なないようにわさおに嫁と養女?をこさえて準備した・・・なんて話も知っています。
でも、今回は最期なのでわさおの人生についてかなり詳細に報道されていて、新しくわかったことも多かったです。
わさおは捨て犬だった?
まず、わさおがもともとは捨て犬で、凶暴化してたため、あやうく保健所に連絡される所だったこと。
保護された当時は5ヶ月くらいの幼犬だったそうですが、それでも秋田犬ですから野良犬化してたらかなり危険だったはず。
ましてや、わさおはぶさかわと言われるとおり、決してイケメンではないので、柄悪い悪たれに見えたはず。
かあちゃんの愛情で更生させた!
たまたま、軽トラで愛犬と通りかかったかあちゃんが見かねて引き取ったというなれそめもジーンとしますね。
引き取ってからも、捨て犬のトラウマで人を信用しないわさおを手なずけるのは非常に大変だったそうです。
悪いことをすれば、気長に話して叱り、お尻を叩いて叱りを続けて、ついに「かあちゃん、ごめん」風にわさおが謝って手をなめたとか、まさに不良少年を更生させるかあちゃんみたいですね。
幸せな時は過ぎ・・・
そうやって愛情を受けて無愛想だけど、憎めないぶさかわ犬に成長したわさお。
かあちゃんと砂浜散歩とか、馬用ブラシでブラッシングしてもらってご機嫌とか、楽しいシーンがいっぱいありました。
でも、年月が経てば飼い主も犬も年を取ります。
かあちゃん亡き後もけなげなわさお
かあちゃんは病で亡くなりましたが、最期までわさおの行く末を案じ、作った家族を守って元気に生きるんだと託すのでした。
想定外にわさおの嫁犬も先に死んでしまいますが、それを乗り越えて娘犬とまったり老後を過ごすわさお。
最期までイカ焼き店に出勤し続け、眠るように息を引き取ったわさおの姿がありました。
老衰で大往生ですから、何の悔いも無い人生だったでしょう。
でも、なんだか悲しくなって思わず涙が・・・
大切な人と生きるだけで人生十分なのかも
わさおの人生はひたすら愛するかあちゃんと家族と楽しく生き、悲しみに耐えてイカ焼き店の看板犬を務める責任を果たし、往生する。
我々人間は人生に意味を求めたり、栄誉を渇望したり悶々と過ごしますが・・・
わさおのようにただ、純粋に大切な人と生きるというシンプルな人生の意味が心に響いたような気がします。
私達は人生によりよいものを求めすぎて、大切な事を忘れてはいないだろうか?
思わず自問自答してしまった、ちょっとしんみりした午後でした。